いつも家に帰ると迎えてくれた愛猫たち。その日も変わらず、玄関で尻尾を振りながら待っていた。パパさんが亡くなってからもう半年が経つが、愛猫たちは毎日玄関で彼の帰りを待っていた。
「ただいま」と誰かが声をかけると、一斉に愛猫たちは頭を上げて、その声の主をじっと見つめた。しかし、それがパパさんではないと分かると、少し肩を落とし、また寝そべる。この光景が続く日々に、見守っている家族も胸が痛むばかりだった。
そんなある日、パパさんが生前残したビデオメッセージが見つかった。「みんな、ありがとう。大好きだよ」。画面越しに伝わる彼の声に、愛猫たちは何かを感じ取ったかのように耳をぴくっと動かした。
「パパさん、ありがとう」。彼らの瞳が輝き、やっとお別れが受け入れられたようだった。その姿に家族全員が目頭を熱くし、愛猫たちと共にパパさんの思い出を共有したのだった。